AMTULは、消費者(見込み顧客)の心理の変化を、以下の5段階に分けて説明しています。
「A:Awareness(認知)」消費者がまだ商品やサービスについて知らない状態。自社の存在をより広く知ってもらう、露出度を上げる段階。
「M:Memory(記憶)」消費者が商品について聞いたことあるが、思い出せない・忘れてしまう状態。複数回認知させることによって、自社製品の名前や特徴などを覚えてもらう段階。
「T:Trial Use(試用)」消費者が興味はあるが、購入することに対して不安を感じる状態。無料トライアルや期間限定で試してもらうことによって、見込み顧客の不安を解消する段階。
「U:Usage(使用)」消費者が1回購入・受注し、再度購入はまだ検討していない状態。本格的に使用してもらい、見込み客が顧客に変わる段階。
「L:Loyal Use(愛用)」消費者が商品やサービスのファン(固定客)になって、繰り返し使用する状態。顧客に満足してもらい、「ここでしか買わない」と思っている段階。
もう一つの消費者行動モデルとして、「AIDMA」の理論もよく挙げられます。
AIDMAは「短期的な購買プロセス」を表したモデルです。
「A:Attention(注意)」消費者が商品やサービスの存在を知らない状態。
「I:Interest(関心)」消費者が商品の魅力や他の商品との違いが分からない状態。
「D:Desire(欲求)」消費者が商品について欲しいと思わない状態。
「M:Memory(記憶)」消費者が商品を思い出すことができない、買おうと思わない状態。
「A:Action(行動)」消費者が購入するか否かを迷っている状態。
一見AMTULと似たような過程ですが、AIDMAは主に消費者の「1回の購買行動」に着目したモデルです。つまり、消費者によるリピート購入・継続利用は考慮されていなく、短期的な購買行動を説明しています。
それに対して、AMTULの特徴は、「消費者の長期的な心理の移り変わり」を表しているところです。
実際、消費者は購入を躊躇してしまうこともあるため、体験版などを通じて試しに使ってみたり、他社製品と比較したりなど、様々な状況が考えられます。特に「T:Trial Use(試用)」が必要になる商材の場合、見込み顧客は意思決定に至るまでのプロセスが長いため、AIDMAよりもAMTULの方が適していると言われています。
では、BtoBビジネスを行う際、AMTULを理解し活用できると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
AMTULの各段階をうまく理解できれば、見込み顧客がどのように顧客・愛用者に変貌していくのか、その長期的な心理的変化が分かるようになります。
自社の見込み顧客や顧客を各段階に分けて考えることによって、どの段階に課題があって、どの段階を強化すべきかが把握できるようになり、各段階における見込み顧客の減少を抑えることができます。
したがって、マーケティングの戦略設計や、リードナーチャリング(顧客醸成)をする際に、どの段階でどのような施策を行えば良いのか、何をヒアリングすれば良いのか、より正確な判断が下せるようになります。
特にクラウドサービスやサブスクリプション型のサービスは、長期的に使っていただくことがより利益つながるため、AMTULに沿った購買行動の分析が適しています。
これまで、AMTULの概念や、AIDMAとの違い、BtoBビジネスにおける必要性について説明しました。では実際、AMTULを活用して費用対効果の高い集客を行うには、どうすればいいでしょうか。
各段階の具体的な施策は様々ありますが、いくつかご紹介します。
「Awareness」:見込み顧客は製品について「知らない」状態なので、認知率を高める必要があります。具体的に、広告・オウンドメディア(自社メディア)・セミナー・展示会などの宣伝手法を用いて、消費者との接点を作ります。
「Memory」:「聞いたことあるけど思い出せない」状態なので、製品の特徴や名前をより覚えて頂くための施策が必要です。広告・SNS・メルマガ配信など、いわゆる持続的なアプローチです。
「Trial Use」:「使いたいが不安がある」状態なので、試用を促進します。商品やサービスのデモンストレーションを案内し、無料トライアル又は短期間で試して頂く施策があります。
「Usage」:「1回のみの購入で、再度試用はまだ検討していない」状態なので、将来的にリピートして頂くために、クレーム削減や、顧客管理をしっかりと実施し、顧客満足度を高める必要があります。
「Loyal Use」:「繰り返し使用している」状態なので、さらに長く愛用して頂くためには、日頃のコミュニケーションを強化し、お互いの信頼関係を構築することが大切です。
このように、見込み顧客から顧客になるまでの推移を、顧客視点に基づいたAMTULの各段階について理解することができれば、自社に適したマーケティング施策やナーチャリング手法が見えるようになります。
その結果、費用対効果の高い、効率の良い集客ができます。
自社製品のマーケティング・営業活動でもぜひ取り入れることをおすすめします。
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