WEB商談で勝つ!
動画作成の極意
(パワポで動画作成編)
これまでのあらすじ
■WEB商談は移動時間の削減などのメリットがある一方で、ストレス(相手の反応に合わせたコミュニケーションがとれない、音声・画面の遅延など)を与えてしまう要因が多く存在するため、商談は手短に行うのがよい
■商談を手短に実施するためには、事前にその日の話題について共通認識を形成しておく必要がある
■共通認識を形成する際、PDF資料を添付するよりも動画を活用した方がよいことがある
1.はじめに
記者:前回はWEB商談で動画を活用するポイントについて教えていただき、ありがとうございました。営業活動で動画を使うということは、今まで何となく避けてきましたが、確かにこのリモートワーク時代に多くのメリットがあると感じました。
一方で、やはり動画を活用するのは、どうしてもハードルが高いと感じてしまいます。弊社では、そもそも動画を作成したことがないですし、環境や専門のスキルを持ったスタッフはおりません。制作業者に頼むと100万円近くかかると聞いたことがあります。そんな中で我々が動画を作成していこうとすると、かなりの予算が必要でしょうか?
内山:動画の作成や編集は仰るとおり、確かにハードルが高いと感じるかもしれません。ですが映画の予告みたいに凝ったものでなくても、顧客に十分に情報や熱意を伝えることは可能です。シンプルな動画であれば、営業資料を作成するのと同じくらい簡単にできるんです。
記者:そんなに簡単にできるんですか?
内山:ええ、みなさんがよく知っているあのツールを使って、簡単に動画が作成できます。今回は動画作成と目的に沿った動画の拡散についてナレッジをご紹介しましょう。
2-1.動画の構成を考える。
内山:動画作成の最初のステップは下記の図のように動画の目的・構成を考えることから始まります。どういう目的で・誰に対して行うのか、再生時間や制作ツール、どんな情報を盛り込むかをまず明確にしましょう。
資料や提案書を作成する時と同じように、いきなり動画を作成してしまうと、余計に時間がかかってしまうことがあります。そのため、最初に構成を考えてから作業を開始するのがとても大切です。まずは下記の図のような簡単な仕様書を作成してみましょう。
目的 | サービス紹介 | 提案内容説明 |
---|---|---|
利用シーン | 初回商談前 | 最終提案後 |
動画の目的 | 1.事前に会社概要・サービス概要をインプットしてもらい、円滑に商談を行えるようにする。 2.事前に不明点などをまとめて もらう。 3.商談時間を短縮する。 |
1.顧客担当者が提案内容を振り返り、しっかり理解できるように する。 2.顧客担当者が関係者へ共有する際の負担を軽減する。 3.決済社の方に転送していただき、サービス内容を理解していただく。 |
時間 | 3-5分 | 5分-10分 |
誰に対して | 商談出席予定者 (属性は?マーケティング部/営業部 担当者/決裁者) |
商談出席者 |
注意点 | ・商談前に大量の情報をインプットしてしまうと、動画が長くなって しまう。 ・当日一方的にヒヤリングするだけになってしまうため、大枠だけ伝える。 |
・長過ぎると見るのが大変になってしまうから、端的にまとめる。 ・関係者それぞれの目線で 作成する。 |
制作方法 | パワーポイント | パワーポイント |
活用ツール | リクリンク | リクリンク |
2-2.動画を作成する。
内山:2つ目のステップは動画の作成作業です。
記者:動画作成といいましても、弊社には動画編集ソフトもないし、動画編集ができる人もいません。
内山:ええ、簡単な動画であれば専用の編集ソフトも編集担当者も必要ありません。
記者:え、そうなんですか?
内山:はい、実はパワーポイントだけで簡単に作成できるんです。
記者:詳しく教えてください。
内山:わかりました。まずは下準備として動画で使用する資料をパワーポイント形式で用意しましょう。資料は動画の映像部分にあたります。日ごろの営業活動時に使用している資料を流用するのが良いでしょう。
それでは、パワーポイントを使用した動画作成の方法を3つの手順に分けて、ご紹介します。
■手順1:音声を録音する
資料の準備が整いましたら、動画で使用するナレーションの音声を録音します。録音はパワーポイント内の録音機能を使って録音することができます。
録音する方法は『挿入』タブをクリックし、『オーディオ』をクリックします。その後表示されるパネルから『オーディオの録音』をクリックして、音声を録音してください。
各スライドごとに説明する内容を考え、この作業を実施しましょう。
クリック箇所:挿入→オーディオ→オーディオの録音
※『このコンピュータ上のオーディオ』をクリックすると、別のツールで録音した音声や音楽を挿入することができます。環境や目的に合わせてご使用ください。
■手順2:音声の再生タイミングを調整する
内山:音声を録音した後は音声が再生されるタイミングをアニメーション機能で設定します。『アニメーションタブ』をクリックし、『アニメーションウィンドウ』をクリックします。
クリックすると、そのスライドで録音した音声が一覧で表示されますので、該当する音声を右クリックし、詳細の設定を行います。選択肢が表示されますので『タイミング』をクリックし、再生タイミングを調整してください。
クリック箇所:アニメーション→アニメーションウィンド→該当音声(右クリック)→タイミング
内山:プレゼンテーションの際に手で指し示す場所など、強調ポイントに目線を誘導したければ、下線を引く・枠で囲むなどの図形を追加し、ナレーションのタイミングに合わせてアニメーション機能で表示することで、実現可能です。
■手順3:動画のエクスポート
内山:最後は動画のエクスポート作業です。
左上の『ファイル』をクリックし、『エクスポート』をクリックします。
その後、『ビデオの作成』項目をクリックし、『ビデオの作成』を押してください。
この際に『表示スライドの所要時間』を設定することで、スライドの切り替えタイミングを設定することができます。また、動画の画質も調整することが可能です。
記者:こんなに簡単にできるんですね。
たしかにこれなら、10分くらいの動画であればすぐにできそうです。
クリック箇所:ファイル→エクスポート→ビデオの作成→ビデオの作成
※officeのバージョンによって、作成方法や手順は異なります。
※ご利用されているバージョンに合わせて、各社ごとにお調べになって、作成ください。
2-3.動画を拡散する。
内山:最後は拡散です。
動画をただ掲載・配信するだけでは、目的に沿った効果を得ることは難しいでしょう。
動画の目的やセキュリティ面を考慮し、それぞれの動画に適した配信方法を選択することが大切です。
例えば、不特定多数へのアプローチをする際は拡散力があるYouTubeを活用したり、特定の顧客への提案動画はセキュアな環境が求められるため、クローズドなクラウドサービスを活用する。
動画を使って深く訴求する場合はインタラクティブ動画を活用するなど目的に応じて、使い分けることが大切です。
記者:たしかに、媒体ごとに特性が違うので、使い分けるということは非常に大切ですね。
ツール比較 | リクリンク | YouTube | クラウドサービス | |
---|---|---|---|---|
ターゲット | 顧客担当者 | ○ | × | ○ |
不特定多数 | △ | ○ | △ | |
セキュリティ | パスワード | ○ | × | △ |
URLでの限定公開 | ○ | ○ | ○ | |
機能 | 資料添付・リンク掲載 | ○ | × | × |
インタラクティブ化 | ○ | × | × |
3.最後に
記者:ありがとうございました。
リモートワークの普及やYouTuberの方の活躍により、動画が随分身近な存在になってきました。今後はBtoB領域でも積極的に動画を活用するケースが増えてくると思います。
動画を作成する際には、まずはパワーポイントなどの使い慣れたツールで一度作ってみるといいかもしれません。

商談スタイルを「WEB商談」へ移行させ、このスタイルの定着を進める企業も多い中、WEB商談を効果的に進めるためのポイントである「動画の活用」について、動画作成と拡散方法にポイントを絞りご紹介します。
<本資料の内容>
■ WEB商談における動画の重要性
■ 動画の構成を考える
■ 動画を作成する
■ 動画の拡散手段を考える
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